軽量粘土、樹脂粘土の比較
一昨日http://d.hatena.ne.jp/mani-ken/20070419の石粉粘土に続き、軽量粘土、樹脂粘土の話を少し。
軽量粘土は主にクレイアートのフラワー作り等に使われますが、私の場合は、その軽さを生かして、ジオラマの樹木や草などに使用してます。
小さい写真は創作中のジオラマ絵本「ビー玉ルーム」に出てくる「記憶の殻」。チェブラーシカのぬいぐるみを入れてみました♪
殻の部分のベースは全て軽量粘土で出来ています。薄くのばして使うのが王道のようですが、少し厚みを持たせて固めるとかなり丈夫になるので、大きな物の基礎などにも使用出来ます。もう少し強度が欲しい基礎には、重くなってしまうのですが、ファンド(石粉粘土)を使っています。
この写真↑の「姉妹塚」のように、一枚の基礎面積が大きいものや固まった後に穴を開けたりしたい時は細かな掘削の出来る石粉粘土の方が向いています。これは基礎がファンドで、表面はウッディ、小物はハーティで作りました。
軽量粘土
-パジコ(ハーティ、ハーティソフト、かるがる、プルミエ)
ハーティはいろんなカラーもそろっているし、ユザワヤ等で格安で手に入ります。のばして使うにはハーティソフトのように目が細かくてまとまりのある方がシャープなラインが出ていいのですが、ハーティは粘りがあるので粘土同士の接着等に重宝しています。大量に粘土が必要なときはリーズナブルな“かるがる”が良いです。ただし、かるがるは黄変するし、もろいし、硬化時の形状変化も激しいです。以上の粘土は繊維が多いので、のばす作業には向いてますが、掘削が必要な時は軽量石粉プルミエがオススメです。
-クレオス(Mr.クレイ)
模型屋さんで手に入る、軽量石粉粘土です。こちらはよくプルミエと比較されますね。プルミエの方が粘度が高い分、水分が少なく形はもりもり作れるのですが、食いつきの面で言うと水分がより多いMr.クレイの方が優れています。
-創作粘土協会(ハーフセラ)
変な粘土です(笑)。シャーベットみたいな感じで割と細かい造形が出せて、なんだかのばすタイプの軽量粘土と石粉粘土の中間みたいです。
-信和サービス(レギュラー、shinwaの軽量粘土)
レギュラーはのばせる粘土の中でも弾力性と粘度があるので、しっかり形がとれます。まとまりが良いのでとても気にいってます。shinwaの軽量粘土はみずみずしくて、樹脂粘土に近い感じで、花びらとか作ったらしっとりしていいだろうと思いますが、私の場合は造作に使うので、ちょっと腰がなさすぎます。目が細かくて美しい粘土なんですけどね。信和さんの粘土は手工芸のための粘土とあって、掘削よりはのばすことを重視してると思います。
-ジャックス(プロフェッショナルライト)
「折れない割れない」と言うだけあって、よくしなるし、目が細かくシャープな作りが出来ます。写真↑の樹木の枝はプロフェッショナルライトを使用。先端の鋭利な部分も、突ついたって破損しません! ただ、他の粘土より若干黄色っぽい。粘り気も、他と比べると強い気がします。
-CEC(Wing、天使のねんど)
軽量粘土は夏になって気温が上がると粘りがちなんですが、いちばんさらりとしていたのがWingです。どの粘土より仕上がりが紙っぽく、薄くのばせます。写真↑の黒羊の毛はふわふわ感を出したかったので、“天使のねんど”を使いました。ふわふわすぎて、シャープな作りは出来ませんがさわり心地がよくて癒されます〜♪
-アートクレイ(ファンドスーパーライト)
たまたまボークスで見かけて試しに使用したけど、そうそう見かける粘土じゃないし、印象薄いです。
樹脂粘土
左上からグレイス、すけるくん、コスモス、モデナ。
左下からプロフェッショナルA、レジックス、エクセレント。
一年前に作った物なので、各自黄ばみ具合が分かります。
-信和サービス(コスモス、グレイス、エクセレント)
コスモスは固まってからも削れていいのですが、粘度がないので細かい造形には向きません。グレイス(カラーもあります。池袋のキンカ堂でバラ売りしてます)の透明感もなかなか良いのですが、やはり粘度が足りない、腰がない。そして両者ともけっこう黄変しました。その点、全くべたつかず、少々の腰はあり、黄変しない美しい透明感のあるエクセレントはオススメです!
-レジックス
ちょっと黄色くなるけど、かなり形の出せる樹脂粘土です。どの粘土より丈夫な気がする。でも高い!
-パジコ(モデナ、モデナソフト)
モデナも形がとれるし、樹脂粘土の中ではリーズナブルなのですが、なんだか黒ずみます。モデナソフトはのばすとゴム板みたいで、変わった質感です。私はフィギュアは作りませんが、フィギュアのヒーロー物などのマントをこれで作るといいのでは?と思いました!
-ジャックス(プロフェッショナル)
どの粘土より薄くのばせる気がします。写真↑の「電灯木」の電灯まわりの羽根のようなものがプロフェッショナルです。
-新日本造形(ハイクレイ)
世界堂で買うと、量に対して一番安くてリーズナブルです! そんなわけで良く使います。他の樹脂粘土よりもろいし、時が経つととっても黄変しますが、そこを生かして使ってます。
総じて、他の粘土にはない樹脂粘土の特徴として透明感(透明感を重視するなら、透明粘土や“すけるくん”があります。高いけど、すんごく透明です)と、熱で形を変えられるという点があります。写真(ハイクレイ)のように電気コテで掘り込みを入れたり、マチエールをつけたり出来ます。
電気コテには照明を調節するコントローラをつけて温度を調節するといいですよ。