エポキシパテとラッカーパテ

mani-ken2007-05-03


エポキシパテの比較

 エポキシパテもポリエステルパテ同様、主剤と硬化剤を混ぜる2液性のパテです。ポリパテとの違いは、固形の粘土状なので、形を作りやすいこと。ポリパテの硬化時間は大体20〜40分ぐらいですが、エポキシはさまざまです。10分で固まるものもあれば、12時間かかるものもあります。用途に応じて使い分けるといいと思います。では、製品ごとの特徴などをまとめてみたいと思います。

  • セメダイン(木部用、水中用、プラスティック用、金属用、エポキシパテ、コンクリート用)


 木部用は柔らかくて練りやすく(柔らかすぎて腰が全くなく、へろへろなので形をとるというより盛るタイプ)、硬化後も柔らかなので掘削しやすいのですが、くいつきがよくないのでコツをつかむまでは盛る部分にくいつかなくてイライラします。ヘラに水をつけて押すように盛るといいです。10分で硬化。



コニシボンドから出ている木部用パテもあります。30分硬化型。


コニシVSセメダイン 木部用パテ
 コニシの方が若干色が白く、きめが細やかで、セメダインの方はダマがあります。
 硬化時間は同時に練って試しましたが、ほぼ同じ感じです。10分でどちらもだいたい硬くなるのですが、少しや柔らかさが残っていて、30分たつと固まります。
 コニシの方には手袋の他にヘラが付属しています。セメダインの方の利点は、フタにひっかけるでっぱりがあって開閉しやすいことでしょうか。




 左からセメダインの水中で固まるパテ(水中で6時間硬化)、プラスティック用パテ(60分硬化弾力性有り)、金属用パテ(10分硬化)、コニシボンドの金属用パテのみ銀黒(10分硬化)で、他はグレーっぽいシロです。
水中用パテとプラスティック用のパテは弾力があって削りにくいため、フルスクラッチには向いておらず、数年放置してあるために色が抜けています。水中用はもっと緑で、プラスティック用はもっと青いです。水中用は水をはったジオラマ製作やら、熱帯魚の水槽のディスプレイなどには使えるパテなんでしょうね。セメダインの他にコニシボンドの水中用パテもあります。こちらは60分硬化と記載されていますが、どちらの水中用パテもヤスリがけは24時間たってからです。プラスティック用パテの弾力性も振動があるものとか、衝撃などに強そうなのでこれまた他のパテとは違う使い勝手がありそうです。
 金属用は木部用と同じく10分硬化と説明部分に書いてありますが、だんぜん金属用のほうが硬化が早い! のんびり練っているそばから固まってくるので、すぐさま補充したい所に盛っていきます。ただし、硬化後は木部用と違い、とても堅くなるので、掘削にはルーターを使ってます。それに練るときにぼそぼそとしてまとまりが悪く、手にくっつきます。


↑と以前書いたのですが、ため込んでいた鉄パテがなくなり、最近の定価819円になった鉄パテを使用したところ、かなりまとまってさらりとした練り心地になっていて、硬化後も若干柔軟性があります。(木部用も含めて最近のものは以前より手につかないようまとまりがよくなり、さらに薄くしたり、細い棒状にすると多少の柔軟性を帯びています。私個人としては柔軟性よりかちっと固まっていた頃のパテが好きなのですが、強度を考えると今のものの方が改善されたと言えるのでしょうね)
 コニシボンドから出ている金属用パテは色が銀黒なので、他のパテのほとんどがシロっぽいぶん、黒系の下地を作りたい時にはとても便利です。
http://d.hatena.ne.jp/mani-ken/edit?date=20070615
↑こちらに金属用パテのコニシVSセメダインの記述あり



その後柔軟性のあるパテが必要になり、新たにリトライしました。

水中用パテとプラ用パテ

 プラ用パテは手の皮を引っ張るほどのくっつき感がタミヤのパテに似ています。びろんびろんに薄くのびてびっくり? こんなんでしたっけ? しかし、接着力はどのパテより強力なので使い勝手がありそうです。
 今回のテーマは以前までは嫌だった弾力性をいかすことなので、しばらく時間をかけていろいろ試そうと思います。

コニシVSセメダイン
水中用のパテはコニシの水中パテを使いました。ポソポソとした練心地でやわらかいです。
 以前購入していたセメダインの方は劣化していることもありますが、ダマが多い印象に対してコニシのパテはダマがないのでストレスフリーです。
 硬化時間の記載がセメダインは6時間(水中)で、作業は30分以内。コニシの方は60分硬化で作業は20分以内となっていますが、水中ではなく乾燥したところに使う分にはどちらもあまり差がないように思いました。


24時間経つとプラ用以外のパテは多少の柔軟性を残すパテもありますが、弾力性はなくなり硬くなります。




 コンクリート用パテ。上はコニシのパテですが、セメダインからもコンクリート用でています。
どちらも10分硬化型で、ツブツブしたものが入っていて鉄パテにテクスチュア材を混ぜ込んだようなパテです。
ザラザラ感が欲しい部分の補修には使えるでしょうが、基本的に木部専門の補修屋なのであまり必要なさそうです。
色はライトグレーです。 




 エポキシパテはパッケージに馬の彫像の写真が載っているので、皆さん、「馬パテ」と呼んでます(笑)。上の2点より値段に対して量が2倍ぐらいあってお得なパテです。こちらは練るとき、まとまっていて扱いやすいです。粘度が高く、腰があるので、ヘラで細かく形をとることもできます。硬化は60分とゆっくりめ。固まるととっても硬くなるので、細かくて折れやすい形作りに使うといいです。ただし硬化後の硬さは石のようなので手作業の掘削は厳しいです。色はグレーです。


以上のエポキシパテはウェーブやタミヤのエポキシパテなどと違い、ポリパテほどではありませんが、結構臭いです!臭いに敏感な方は要注意です。


100均のパテについて
金属用パテと100均の万能パテと比較してみましたが、さほど変わりありません。それならば、セメダインなどのエポキシパテの4分の1ほどあるし、プラスチックケースも使えるし、どう考えても100均のパテの方がお得!と思いました。

  • ウェーブ(ミリプット、グレードS、軽量パテ、軽量パテ グレータイプ)


 セメダインのエポキシパテは急ぎの盛りやつなぎ用ですが、ウェーブのエポキシパテは硬化時間が2〜3時間なので、粘土のようにじっくり形を作ることができます。スカルピーのように焼いて硬化させる手間もありません。そんなわけで、私はだいたいの土台をスカルピーで作り、スカルピーは脆いので、細部をウェーブのパテで作っています(なんだかんだいっても素材類のなかでエポキシパテは高価なので、少しづつ使ってます)。
 ミリプットはエポキシの中でも安いし量もたっぷりですが、どうにもまとまりが悪いというか、ぼろぼろしていて好きになれません。臭いも(馬パテと似た臭い)泥臭いというか、苦手です。色は緑がかったグレー。

 グレードSはウェーブエポキシパテのなかでは一番強度があると思います。細い棒状にして折り比べをしたら、一番頑丈でした。色が白いので、白で統一したいときにも使用してます。


http://d.hatena.ne.jp/mani-ken/20070515
 詳しくは↑も参照してください(*'‐'*)


 軽量パテは表面が他のウェーブエポキシパテ同様にプラスチックのようにツルっと仕上がります。ウェーブのパテはセメダインの速い硬化型のパテのようにダマがなくてきめこまやかです。しかも硬化後は柔らかめで掘削が楽なので、スカルピーで作る原型の付けたしにはもっとも向いているのでは? 黄色のパッケージが肌色で、他にグレータイプもあります!硬化時間は4〜5時間です。

http://d.hatena.ne.jp/mani-ken/20070516
↑こちらに軽量パテとグレータイプ、木パテの比較詳細あります



 異色のエポキシパテです。ふわふわしていて、練りごこちが軽量粘土のようです。コシがないので今のところあまり使ってませんが、おもしろいのでおいおいいじってみようと思います。硬化時間は2〜3時間です。

  • Oatey(エポキシパテ)


 硬化が早く、セメダインの金属用と同じく急いで付け足したいときに便利です。しかも、色がグレーなので、原型をグレーで統一できます。セメダインの金属用との違いは、練るとよくまとまり、しかも馬パテのようによくくっつくので、大好きなパテなのですが、なかなか売ってません。以前は吉祥寺のボークスで購入していたのですが、閉店してしまったので、それ以来出会ってないです(他の店舗は見てないけど、売っているのかも?)

  • タミヤ(エポキシ造形パテ速硬化タイプ6時間硬化、高密度タイプ12時間硬化)



 硬いです。私は指の力がないので、このパテを練るのは厳しい! 使用を断念しました。

http://d.hatena.ne.jp/mani-ken/20070514
 詳しくは↑にも(^0^*
http://d.hatena.ne.jp/mani-ken/20070618
↑気温があがってタミヤエポキシ造形パテが丁度よい硬さになりましたので、使用断念を訂正しました。




 エポキシパテは空気に触れるところが劣化するので、使用後は円形のシール(100円ショップで買いました)を貼っておくといいですよ。



 肉付け用パテに、ウェーブエポキシパテは地元では手に入らないので、スーパーに置いてあるボンドエポキシで代用できないか試してみました。硬化時間が春秋が6時間、夏が4時間とゆとりがあるので、造形向けかと思いましたが、全然コシがない!! 造形は断念しました。しかし、硬化後には非常に白木に似た素材になるので、和室のヒノキや杉などの無垢の木の補修には重宝するのではないかと思います。



最近とっておきのエポキシパテ、マジックスカルプ(1時間で硬化がはじまり、6時間で硬化。453gスカルピーと同じ重さで、3400円です)を使用しています。食いつきもよく、水でなめらかに溶けて同化するし、色もグレースカルピーのようだし使い勝手はよいのですが、いまひとつ主剤が柔らかすぎて、コシが足りないのが気に入らないところです。


 Mr.強力パテとMr.軽量エポキシパテ

 上の左がMr.強力パテ、右がタミヤエポキシパテ(速硬化)
 下の左がMr.軽量エポキシパテ、右がウェーブエポキシパテ(軽量・グレータイプ)
 これらは水に溶けないタイプですね。Mr.強力パテの硬化後の掘削感はウェーブのグレードSに似てしっとり感がありつつ、さくっと削れます。まあまあコシもあるので形成できるし、素材にもストレスなくくっつくのでかなり気に入りました。硬化時間は6時間で、タミヤの速硬化タイプと同じです。
 Mr.軽量エポキシパテは、ウェーブ軽量タイプと同じく3時間で掘削可能で、かなり似ていますが、Mr.軽量の方が少しだけコシが強い気がします。硬化後の掘削感もウェーブ軽量タイプはタミヤタミヤはウェーブ軽量タイプより硬く、粘りが強くて削りにくいです)のようにプラスチックぽい、しっとりした削り心地なのに対して、Mr.軽量エポキシパテは木パテに近くカリカリしてます。



 99工房ねんどパテ016

 ねんどパテ016、ミリプット、エポレジンプロ
 こちらは、グレードSを含めて水に溶けるタイプのエポキシパテです。
 ねんどパテ016はその中でも一番コシが強く、硬化後も硬くなります。硬化時間は5、6時間。硬さは馬パテのようにゴリゴリした感じではなく、少し粘るので、掘削には苦労しそうです。しかし、素材に難なくくっついてくれるところは有り難いので、粘着力のないミリプットに混ぜてみようと思います。
 掘削感で言うなら、コシが全くなくて、形成困難なエポレジンプロですが、硬化後の掘削感は木パテを上回り、気持ちよくスーっと削れます!硬化時間は2、3時間です。



 左脇の黄色っぽいのがねんどパテ016、色はエポレジンプロも同じような白っぽい黄色。
 真中の木パテのような色がMr.軽量エポキシパテ、右上はじの白っぽいアイボリーがMr.強力パテ、黄色がタミヤエポキシパテ(速硬化)、緑っぽいのがタミヤとミリプットやタミヤとウェーブ軽量タイプを混ぜたものです。


Mr.造形用エポキシパテ、エポパ高密度タイプPR0-Hとエポパ超軽量タイプPR0-L。
どちらもグレーなので、混合して硬さや厚みの調節ができる優れものです。
高密度タイプはぺらっと薄い印象で、表面はプラスティックのようにツルツルで、きめが細かいです。
超軽量タイプは肉厚で、もりもり盛れますが、きめが粗いです。
硬化時間が、このてのエポキシパテの中では、両タイプとも1〜3時間と比較的早い作業が出来ます。
ただ、私的には高密度タイプの食いつきがいまいちなので、ちょっと残念です。
超軽量タイプはまあまあ食いつきもよく、形も出しやすいので、きめの調節を考えて、両タイプを上手く混合して使っていこうと思っていますが、使いこなすには、少し時間がかかりそうです。


ラッカーパテの比較
 エポキシパテやポリエステルパテと違い、一液性の乾燥するだけで硬化するパテもついでに紹介します。
 ラッカーパテは薄くのばしてしか使えませんが(盛ると乾かないし、硬化時に思いっきり減ります)、表面の処理にはとても便利な素材です。



上から99工房、ホルツ、タミヤクレオ


 色がグレーなので、グレイスカルピーの表面処理に使ってます。


 黄色っぽいホワイトで、プラスチックぽいツルっとした感じが気に入ってます。

  • Hols(ウスヅケパテ・ホワイト)


 皮膜が弱い感じですが、のびがよくて物によくなじみます。

  • 99工房(うすづけパテBody-Putty


 ホワイト車用は他のラッカーパテホワイトより白いので、白い下地が必要なときに使ってます。ねちゃねちゃして扱いづらいですが、頑丈にくいつきます。


水性パテ



 水性粘土、ファンドなどのちょっとした表面処理には、写真左のセメダイン(穴埋めパテ)などの水性パテを使っています。目が粗めですが、石粉粘土に近い質感に仕上がります。あと、臭くないのもいいですね。
写真右はニッケンのカラーパテ。こちらはセメダインのパテより粒子が細かくてやわらかなパテです。


http://d.hatena.ne.jp/mani-ken/20070502
↑ポリエステルパテの比較についてはこちらを参照して下さいね