ポリエステルパテの比較
ポリエステルパテは厚く盛れるものほど粒子が粗く、柔らかいので削りやすいです。逆に粒子の細かいものは薄くのびて、硬いです。ポリパテは気泡が入りやすいですが、耐水性で丈夫、流動性にも優れているので、ほかの素材(粘土など)と併用するといいでしょう。グリーンや黄色など、色つきのものもあるので、美少女フィギュアの顔などに使う場合は色にも注意が必要です。いろいろ使い比べてみたので、それぞれの特徴を書いておきますね。
(硬化時間は板金パテの場合、20℃標準O、30℃夏用S、10℃冬用Wと硬化の早さをコントロールできます。私が使っているものはほとんど標準ですが、いろんな気温で適当に使っているので、かなり主観的な硬化時間となっています。説明書などに記載されているものはそのままの時間を載せていますが、その他のものは参考までということでご容赦下さい)
- ワーク(すべすべ、モリモリ、ドロドロ)硬化時間25〜40分
http://d.hatena.ne.jp/mani-ken/20070429
↑こちらにすべすべを使ったコラーニのカスタマイズを載せました。ツルツル感が確認できると思うので見てね!
すべすべはとても白く固めのポリパテで、盛るより表面仕上げに向いています。ペーパーを当てている間はボソボソしていますが、研磨剤で磨くとツルツルのすべすべになります。
上がドロドロ、下がモリモリ(硬化剤の量を入れすぎるとますます黄色になります〜)
モリモリは盛れるポリパテの中でも表面がなめらかなので、盛りつつ仕上げられますが、私はどうしても硬化剤の黄色がなじめなくてあまり使わないです。
ドロドロも黄色。とっても粘度がゆるいので、他のポリパテにはない使い勝手があるかと思いますが、私の場合ポリパテはジョイント部分か薄っすらと盛るときに使っているので、一回試しに使っただけで劣化させてしまいました。
- 造形村(NEWポリエステルパテ)硬化時間30〜40分
盛るという作業において、個人的にはこのパテがピカイチでした。かなりこんもりと盛れて、盛った部分がヘラの角が立たずにまろやかに盛れるので、ポリパテ初心者には簡単に使えるパテかと。うっすらグレーの主剤にエンジ色の硬化剤です。
硬化剤がグリーンです。少々、水っぽい感じで、しっとりしていています。盛るというか表面処理向きかも。
- 99工房(ボディパテ)硬化時間60〜120分
車用の厚付けパテは模型用のポリパテより粒子が粗いですが、てんこ盛れます。グレーです。
追記:↑と書きましたが、4、5年前の記憶なので、もう一度引っ張り出してみた結果、わりとなめらかなパテでした。ホルツと混同してしまったみたいです。すいません((^.^) 。ここ最近はクイックパテばかり使っているので。
- Holts(アツヅケパテ)硬化時間15分
こちらはホワイトタイプ。主剤は粗目です。少し収縮がきつい気がします。しかし白くて早く硬化するパテはあまりないので重宝しています。
他にもいろんな色があるので、混ぜることでいろんな明度をつくれます。
- ロック(ロッククイックパテ120HB)硬化時間10分〜
店で買えるほとんどのポリパテが100g1000円前後の価格帯なのに対して、こちらは1000g1000円ぐらいとリーズナブル。“ぺいんとわーくす”のネット通販にて購入しました。淡いピンクで、けっこう盛れるし、表面も細やかなのでフィギュア作りにはもってこいではないでしょうか(私は作ってませんが)。
- フィニッシャーズ(ポリパテHG細め、ポリパテスタンダード)硬化時間5分
左がHG細め、右がスタンダード
「くいつきがよくて、パリパリ割れない」という売り言葉に乗せられて購入しました。ポリパテは素材に盛ったとき、キワが浮いてパリッととれてしまうことがありますが、確かにこのポリパテはねっとりとくいついてます。“ポリパテHG細め”は主剤が水色で硬化剤が黄色なので、混ぜるとグリーンになります。非常になめらかな表面に仕上がります。ポリパテスタンダードの主剤はグレー、硬化剤は同じく黄色で混ぜるとオリーブグリーンみたいな色で荒めですが、盛れますし、サクサクと削れる感じで、他のポリパテより柔らかでしっとりした印象です。
- エポック(ポリパテホワイト厚盛り)
黄色っぽい白で、軽い感じがエポキシパテのエポレジンプロに似てます。
- ロック(クィックパテの80LS)硬化時間10分〜
新しく買ったポリパテ、ロッククィックパテの80LS(右)を試してみました。今まで使っていた120HBより盛り上げが出来て、さらに硬化が早く、思ったよりもキメが荒すぎず、なかなか使い心地が良いです。しかも硬化後の切削感が非常に楽です。色はグレースカルピーと同化するので、原型作りに良いシリーズだと思います。
- ロック(ライトウエイトパテ)硬化時間30〜40分
ロックライトウエイトパテ硬化剤つき4.8kgセット、SSペイントのネット通販で購入しました。4800円プラス送料です。
意外と色白な主剤です。クィックパテLSシリーズの後だと余計白く感じます。
硬化剤はよくある錆色です。ボークスのパテと同じとネットに書いてあったので購入したのですが、どうも記憶にあるボークスのパテより白っぽい気がします。私が使っていたボークスのパテは古いタイプだったのかも知れません。クィックパテの硬化の早さに慣れてしまうと、ちょっと硬化が遅いように感じました(20分〜40分ぐらい)ので、次はもっと硬化剤をたっぷり加えてみようと思います。
- オートボディフィラーライト026 硬化時間5分
ポリパテは基本的にジョイントに使っていたので、硬化の早いクィックパテを使っていました。
しかし造形するには柔らかくて削り易い軽量パテの方がいいと思うので、残り少ないロックライトウエイトパテに続き、気になっていたオートボディフィラーライト026を購入してみました!!
硬化剤の色はどちらも赤茶色で、主剤はオートボディフィラーライトの方が少し白っぽい感じです。
オートボディフィラーライト026を使ってみたところ、ロッククィックパテより硬化が早い!(硬化剤を混ぜている間に硬化してくるので、5分硬化のフィニッシャーズのポリパテに近い早さ)
ロックライトウエイトパテはクィックパテと比べて硬化が遅いので、ジョイントを作る際は硬化の早いクィックパテを手放せないと思っていました。が! 硬化の早さと切削の良さを兼ね備えるオートボディフィラーライトがあれば、念願のポリパテ1本化が出来るかもぉ〜と浮かれております。ただし、硬化後の色はグレーであるロッククィックパテの方が願わしいのですけどねぇ、オートボディフィラーライトはピンク色。
硬化後の柔らかさはロックライトウェイトパテとほぼ同じ感じです。
ポリパテ 切削感比較
今まではハンドグラインダーで削るだけだったので、柔らかいor硬いの違いしか気にならなかったのですが、今回は彫刻刀やカッターを使っての切削感比較をしてみました。
左からロッククイックパテ80LSはコリコリ気持ちよく削れて柔らかい感じです。ただ、脆いのでエッジを出したい場合には向かないかもしれません。
2番目のオートボディフィラーライト、軽量パテは柔らかいのですが、切削感はあまりよくないです。石粉粘土みたいな感じでポソポソした素材のせいか紙を削っているような感じがします。
大日本塗料 オートボディフィラーライト026パテ|通信販売|FOK-藤倉応用化工株式会社
ここには載っていない同じく軽量パテ、ロックライトウェイトパテも、軽石のような感じなのですが、繋ぎのせいか彫刻刀やカッターを使っての削りだしは、あまり心地よくないです。
(ハンドグラインダーを使って大きな修正をするときは、普通のポリパテより軽量パテは柔らかく、どんどん削れるので、時間が短縮されて助かります。)
3番目がフィニィッシャーズのポリパテ、スタンダードは(ロックポリパテ中目と同じものらしいです)、中目の割りに肌理が細かく、硬すぎない程度の硬さなのでカリカリ細かく彫りだすのに良い気がします。モリモリより硬めの彫り心地です。
4番目がフィニィッシャーズのポリパテ細目(ロックポリパテ細目と同じものらしいです)、細目(180)の中では柔らかいパテで、120ぐらいの感覚で切削できます。私のように指の力がなく、粗目(80)くらいがちょうどいいと思うタイプには、ちょっと硬いので疲れます。
画面上のモリモリは、私にとってベストの彫り心地を提供してくれるパテ。気持ちよくコリコリできます。あまり指に力がなくてもサクサクです!以前は色が嫌いで使っていなかったのですが、この切削感は癖になりますね。
硬化剤実験
モリモリ、フィニッシャーズスタンダード、細目にクィックパテ用ブラウンの硬化剤を混ぜて硬化するか実験します。
こんな色になりました。
上は付属のイエローの硬化剤
下はブラウンで、モリモリ以外は普通に硬化しました。
左からロッククィックパテ80LS、ポリパテ中目180、クィックパテ120LS、クィックパテ180LS。
以前購入した80LS1缶分の値段で右のパテ三種類購入できました!
ぺいんとわーくすの小分け売りって素敵だなぁ〜〜〜!!!
(とにかく同じ硬化剤を使用したいのでメーカーをそろえました。そして粗目から細目まで用途に合わせて、好きな硬さにコントロールしたいと考えています)
中の色、左手前から80LS、120LS、180LS(その手前モリモリ)
後ろがロックポリパテ中目と同じ物らしいフィニッシャーズのスタンダード。
ロックポリパテ中目とフィニッシャーズスタンダードが同じ物か実験します。
以前フィニッシャーズの硬化剤が劣化したときに、モリモリの硬化剤を使ったら硬化したので、ロックの硬化剤エローとフィニッシャーズの硬化剤、モリモリの硬化剤、全部同じく硬化するのか実験しました。
120LS、180LSでも実験します。
エロー、モリモリ、フィニッシャーズの硬化剤は同じ物のようにみえます。
実験結果。フィニッシャーズのポリパテはロックポリパテと同じとしか思えません。
イエローの硬化剤ですべてちゃんと硬化しました。
(クィックパテ80LSはブラウンの硬化剤より硬化が遅くなりました)
聞いていた通り、以前使っていた120HBにくらべて120LSはボソボソしていました。
完全硬化後に切削実験を続けようと思います
一気に厚づけしたいときや、硬化後の強度が欲しい場所にはお勧めのファイバーパテ。
冬用のパテを買えば(販売もとが季節に応じたものを売ってくれるので、冬型が欲しいときは冬に買わないといけません)硬化時間が早く、さくさく削れます。
ロックポリパテ細目240は滑らかで、型にしっとり入ってくれるので注型用に使っています。
といってもドロドロのように流れないので、細かいところには刷けなどで塗りつけてから型におしこんでいます。
- クリアーパテ
小さい凹みなどには、スティック状の補修剤を使用していますが、無数の凹み傷や、強度の必要な補修にはクリアなパテが欲しくなるものです。補修専門のポリパテで、クリアなものは売っていますが、200g3000円近くして手が出せませんでした。そこでネット販売を検索して見つけたクリアーパテ600g1617円を試してみました。
補修専門店で売っているレックスリートは、黄色っぽくにごっていますが、こちらのクリアーパテは紫っぽくにごっています。
いっぱい凹みを作りました。
クリアーパテを塗ったところ。このパテもレックスリート(クリア)同様、粘つくので削りにくいです。しかも少し弾力があるので補修で平らにする目的で扱うにはコツがいりそうです。
暫く経つと黄変しました。
- スチレンモノマー
ポリパテの粘度を下げるために薄める液です。ずっとラッカー薄め液を使用していて、水っぽくなっていました。スチレンモノマーの方がなめらかに薄まって流し込みがスムーズです。
http://d.hatena.ne.jp/mani-ken/20070503
↑エポキシパテ、ラッカーパテ、水性パテについてはこちらを参照してね